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お知らせ

東海産婦人科内視鏡手術研究会雑誌2024年度 Vol.12への論文投稿を募集します。


締め切り日: 2024年 5月17日(金)

投稿規定に従って(1)原稿,(2)チェックリストを事務局までご送付下さい。

*投稿先のメールアドレスを下記に変更しております。

tsgoe.submit@gmail.com

研究会雑誌について

東海産婦人科内視鏡手術研究会雑誌では,「原著」、「症例報告」、「手術手技」の投稿論文を随時受け付けております(毎年10月発刊)。本誌は査読制(編集者による校正を含む)に基づく医学雑誌であり,医学中央雑誌やメディカルオンラインに収載されています。投稿規定については下記よりご確認ください。

原稿送付先

東海産婦人科内視鏡手術研究会事務局
〒470-1192 愛知県豊明市沓掛町田楽ヶ窪1-98
藤田医科大学医学部 産婦人科学教室
E-Mail:tsgoe.submit@gmail.com
Tel:0562-93-9294(医局)
Fax:0562-95-1821

東海産婦人科内視鏡手術研究会雑誌 vol.12 巻頭言

京都大学医学研究科婦人科学産科学分野 教授 万代 昌紀

東海産婦人科内視鏡手術研究会にお招きいただき、また、巻頭言を寄稿させていただきますこと、誠に光栄に存じます。内視鏡手術の潮流は開発期、普及期を経て、現在は成熟期へと移っておりますが、ロボット手術の普及とも合わせて決して歩みが穏やかになったとは言えず、むしろ技術革新は速度をはやめつつあると感じています。そのような状態では、なかなか、医療の均てん化は難しく、日本国内でも内視鏡手術の技術水準の地域格差は問題のひとつとして常にあげられています。この技術水準を決める大きな要素が地域におけるオピニオンリーダーの存在であり、特にエキスパートの有志が集まった研究会的な組織の存在は、地域における技術の底上げに多大な効果をもたらします。私が属する関西地域でもいくつかの研究会が活動を継続していますが、東海地域における本会もそのような存在として、婦人科内視鏡手術の普及・教育に大きな役割を担っておられると思います。

私は現在、日本産科婦人科内視鏡学会(JSGOE)の理事長を拝命しておりますが、JSGOEは、日本における産婦人科内視鏡の黎明期に生まれ、その発展と歩みを共にしてきました。したがいましてJSGOEもまた、成熟期のまっただなかにあると言えますし、会員数も順調に増加し、会は盛況を呈しております。しかしながら、私は、組織はその絶頂期が一番、危うい時期だと思っています。目の前に大きな目標があり、それを皆で追い求めていた時期の目標が失われ、進むべき方向性がわからなくなり、組織が硬直化・形骸化する、まさにその芽が生まれるのがこの時期だからです。新しい流れを作り出すためには、新しい技術、新しい考え方、新しい人材、新しい目標が必要です。現在、JSGOEは数年内に日本婦人科ロボット手術学会(JSGRS)との合併を目指しています。JSGRSの小林理事長とともにこの合併をぜひとも成功させたいと願う根拠は、うえに述べたような理由にあります。老化して体が固まってしまわないように、さまざまな日本中の内視鏡手術の仲間、グループが知恵をしぼって、日々の革新・競争に耐えられるような婦人科内視鏡の潮流をふたたび形作っていければと考えております。

東海産婦人科内視鏡手術研究会雑誌 vol.9 巻頭言

日本婦人科ロボット手術学会 第二代理事長
鹿児島大学医学部産科婦人科 教授 小林 裕明

東海産婦人科内視鏡手術研究会の第22回学術集会が行われ、第10巻目の機関紙が発刊されるにあたり、非常にアクティビテイの高いそのご活動に心より敬意を表します。手術がテーマの研究会は、成功例だけでなく失敗例や悩んだ症例なども含めた動画主体のプレゼンとその後の忌憚なき意見交換が望ましいと思います。その討論の場で、先輩からの貴重な経験や、若手からの斬新なアイデアが交わされることで、参加者は翌日からの手術で患者さんにより多くの恩恵を届けることができるはずです。貴会はまさにこの模範となるような研究会で、今まで東海エリアの多くの患者さんたちに多大な貢献をしてこられたものと拝察いたします。

私は日本婦人科ロボット手術学会の理事長を初代・井坂惠一理事長の後任として、2022年1月から 拝命いたしました。本学会は患者さんに安全なロボット手術を届けることを最優先としたうえで、婦 人科ロボット手術に関わる医師同士の活発な意見交換や国内外の学術団体との連携、ロボット手術の習得を希望する若手医師に対する包括的教育等の活動行う団体ですが、それは他の学会や研究会のご支援なくしては成り立ちません。2019年、本学会の命を受けて婦人科プロクター制度の確立に着手し、産科婦人科学会、産科婦人科内視鏡学会、婦人科腫瘍学会のご協力を得て、まさに “all Japan” の体制 で、2020年4月よりプロクター制度を開始いたしました。今後登場してくる新たなロボット機器にも対応できるようにプロクター制度も発展させて参りますが、プロクタリングにより順調にロボット手術を開始した施設が安全に手術を重ねていくためには、それぞれの地域のおける情報共有・意見交換 が必須です。そのような観点からも東海エリアで貴会が果たす役割は大きく、本学会としても末永い ご協力をお願いする次第です。

ロボット手術のみならず、腹腔鏡をはじめとする鏡視下手術全体は、鉗子・機器の進歩、保険適用の拡大とともに今後ますます発展していきます。その流れの中で、内視鏡カメラによる術野動画の共有のもと充実した情報交換ができる貴研究会は、手術手技の向上を提供しうる非常に重要な学究の場です。1999年に東海産婦人科内視鏡懇話会として始まった貴会の地域医療への貢献も今後増していくばかりと思われます。そのような歴史ある研究会機関紙の巻頭言を担当させていただきましたことに深くお礼申し上げますとともに、貴会の今後の益々のご発展を祈念致します。

東海産婦人科内視鏡手術研究会雑誌 vol.8 巻頭言

日本産科婦人科内視鏡学会 第八代理事長
東京大学大学院医学系研究科 産婦人科学 教授 大須賀 穣

東海産婦人科内視鏡手術研究会が第21回を迎えられ、また、同研究会雑誌が第8巻を数えられますことを心よりお慶び申し上げます。新型コロナウイルスのパンデミックにより世界は未曽有の困難を経験し、現在はその後の回復過程に入っているとはいえ未だ後遺症に悩んでおります。感染された方にはお見舞い申し上げますとともに、医療現場で数々の試練に対応された方々にはそのご苦労に敬意を表します。

今回のパンデミックは社会に大きな変革をもたらしました。ITの活用が加速し、特にWeb会議は日常のものとなっています。ITは内視鏡手術とも密接に関係しており、現在の急速なIT技術の進化は内視鏡手術に新たな時代をもたらす予感がしております。オンライン診療が現実のものとなってきたことを考えますと、遠隔手術も近い将来に想像以上の普及をしているかも知れません。ある程度の手技はロボットが自動的に行うこともあり得ます。しかしながら、我々がこれまで培ってきた手術の心、手術の技術、手術の体系はすべての基礎にあります。日々努力してやっと出来るようになった糸結び、先輩の指導で初めて完遂した執刀、自信をもって学会で発表したビデオ、どれも内視鏡手術の発展に不可欠です。一人一人が苦労して内視鏡手術をマスターし患者さんに満足する手術を受けていただけるに至る軌跡のすべてが重要で、それらの軌跡が新たな時代と出会うことにより、新たな技術とともに内視鏡手術に革命を起こしていきます。

東海産婦人科内視鏡手術研究会は内視鏡手術を支える先生方の集まりであり、この研究会雑誌を通して新時代の内視鏡手術に多大な貢献をしていくものと確信しております。益々のご発展を祈念しております。

東海産婦人科内視鏡手術研究会雑誌 vol.7 巻頭言

藤田医科大学 岡崎医療センター 婦人科 教授
東海産婦人科内視鏡手術研究会 特別顧問 廣田 穰

覚えていますか? 流行語の「カリスマ」「ヤマンバ」「リベンジ」そして「西暦2000年問題」を!

本研究会はこれら流行語が回顧される1999年10月に東海産婦人科内視鏡手術懇話会として産声を上げました。第1回学術集会での一般演題数は9題で、当時の日本産科婦人科内視鏡学会(JSGOE)の理事長 佐藤和雄先生に特別講演をお願いしました。その後も歴代のJSGOE理事長 岩田嘉行先生、星合昊先生、堤治先生、吉村泰典先生、竹下俊行先生を招聘し特別講演を拝聴しました。第2回の学術集会からは時代に沿ったテーマでワークショップを企画し、第15回学術集会(2014年)からは一般演題数の増加にともない会場数を2部屋とし、学術集会の内容も1.一般演題、2.イブニングセミナー、3.特別講演、4.ワークショップの4本立てとしました。その後の婦人科内視鏡手術の趨勢にともない参加人数も150名超となり、従来のミッドランドホールでは手狭となったため、2018年からは名古屋コンベンションホールに会場を変更し3会場での学術集会開催となりました。また同年からJSGOEにおいて地方研究会の認定制度が発足したため我々もこれにエントリー、昨年より正式な認定研究会としての承認を受けました。同時に実技研修会も正規認定を受けたことよりJSGOE主催の実技研修会と同じインセンティブが付加されようになり、名実共に我々の研究会がJSGOEの主要事業の一端を担うことになりました。

会の名称に関しては、東海産婦人科内視鏡懇話会(1999〜2013年)を2014年から東海産婦人科内視鏡手術研究会(TOKAI SOCIETY FOR GYNECOLOGIC AND OBSTETRIC ENDOSCOPY、 略式名称;東海産婦内視鏡/TSGOE)に変更し、同時に東海産婦人科内視鏡手術研究会雑誌 (JOURNAL OF TOKAI SOCIETY FOR GYNECOLOGIC AND OBSTETRIC ENDOSCOPY、略式名称;東海産婦内視鏡会誌/JTSGOE)としました。現在までジャーナルはVol.6を数え、2017年度にはメディカルオンラインと正式契約しWeb上から本研究会雑誌の文献検索が可能となりました。さらに2018年度からは、医学中央雑誌/科学技術振興機構 J-GLOBALにも我々の雑誌が正式採用されました。機関誌は初版より厳格な査読制を採用しており、 先進的で学術的意義の高い雑誌としての評価を構築しつつあるものと確信しています。

1999年には「壮年」であった研究会立ち上げメンバーも年を重ね、次世代にバトンタッチする齡となりました。幸い本研究会には日本を代表する「壮年」の先生方が世話人に名前を連ねており、今後もTSGOEの活動を通し東海地方から全国に最新の知見を発信し、日本の内視鏡手術を牽引してくれるものと思います。

今後も会員各位の倍旧のご支援を庶幾し、20周年記念の巻頭言とします。

東海産婦人科内視鏡手術研究会雑誌 vol.5 巻頭言

日本産科婦人科内視鏡学会 第七代理事長
日本医科大学 産婦人科学教室 主任教授 竹下 俊行

東海産婦人科内視鏡手術研究会の学術集会が今年で18回目を迎えるとのこと、多忙を極める産婦人科医が゙内視鏡手術の技術を極め患者さんの健康維持に貢献するべく、地道に研究会の回を重ねていることに心からの敬意を表します。

日本産科婦人科内視鏡学会の会員数は 3600名を超え、産婦人科サブスペシャリティ領域 学会の中でも最も伸び率の高い学会になっています。また、技術認定医数も順調に増加し、2014年に発足した認定研修施設制度における認定施設も266施設を数えるに至りました。しかし、技術認定医0、認定研修施設0の県はまだ残っており、大都市集中の傾向はなかなか改善されません。地方で地域医療に励む若手医師に、何とか研修や教育の機会を与えようとしても、年に一度の学術集会や教育委員会が行う実技研修会だけでは足りないという声を聞きます。そのような中、東海産婦人科内視鏡手術研究会のように各地域、ブロックが主催する研究会・研修会は、大変貴重な機会を提供する場になっています。今後も本研究会の持つ役割は重要性を増して行くと思われます。ますますのご発展を祈念致します。

東海産婦人科内視鏡手術研究会雑誌 vol.1 巻頭言
東海産婦人科内視鏡研究会(懇話会)雑誌発刊に向けて

日本産科婦人科内視鏡学会 第六代理事長
吉村 泰典

医療技術の進歩に伴い、最近の医療においては低侵襲性、安全性、倫理性さらには経済性も要求されるようになってきています。近年の内視鏡手術の発展と普及には目覚ましいものがあり、社会の内視鏡手術に対する要求や高い技術への期待も高まっています。日本産婦人科内視鏡学会は、本邦における産科婦人科領域における内視鏡下手術の進歩と発展を図り、国民に対し安全で安心な医療を提供する重大な責務を負っています。本会による内視鏡技術認定制度は9年が経過し、認定技術者は現在300名を超えています。今や内視鏡下手術は産婦人科医にとって実地臨床上必須技術となってきており、国民からは安全で、確実な手術を実施することが要求されています。これら技術の標準化および安全対策上の要件として、内視鏡下手術への深い造詣と修練が広く要求されることは贅言を要しません。そのためには各地域における内視鏡下手術の教育ならびに技術向上のための研修会などが必要となります。このたび、東海産婦人科内視鏡懇話会において婦人科内視鏡下手術関連の機関誌を発刊されることは、本邦では初めての試みであります。 貴会におかれましては、斬界の先導者たるべく日夜革新を重ねられ、本誌を通してその成果を進歩の証として社会に示していただきたいと切にお願いする次第です。